ボールを買ってくれたボウラーに100％満足してもらえるボールに仕立て上げることが出来るボールが得意なボール、ボウラーの希望のイメージにドリルすることが出来にくいボールが難しいボールということである。
ドリルに当たっては、お客様に対して100％の満足と感動を提供するのが我々プロショップスペシャリストの義務である。最近のボールはその殆どが一定のレベルに達していてそれぞれが素晴らしい。しかし必ずしも、すべてのボウラー、あらゆるコンディションにベストとは言い切れない。むしろ適応するコンディションやリリースのタイプによりその適応巾が次第に狭ばまって来ている傾向が見られる。
さらにボールの耐用年数も考慮したい。どんなにパフォーマンスが優れたボールでも５０ゲームや１００ゲームでヘタッテしまうボールは、プロボウラーの試合用や特別のお金持ちは別としても一般ボウラーにはお薦めできない。
私はプロショップスペシャリストとして、ボール販売の絶対条件に次のようなことを信条としている。
実際にテストした上で自分が納得し、そのボールの個性を100％引き出すマップアウト（コアに対してのドリル位置）やリリースやそれに伴うスパン･ピッチのあり方などに完全に自信を持てるボールしか販売してはならない。
高田誠プロショップは物売りではなく、物造りの職人でなければならない。
１００人１００様なのだ
このところ毎月２０種類を越すボールが発売されている。これらのボールをすべてテストしてみることは時間的にも経費的にも不可能なことだ、結局メーカーやディストリビューターさんの協力により提供された数種のテストボールでテストをし、そのテストを観察し、私が自信を持って薦められるボールを選び抜き推奨品として選定することになる。
注）ボールテストは、契約している４タイプのプロ・アマのボウラーの中から、そのボールの個性に合いそうな１人を選び、３パターンのコンディションを造り投球、これを観察しデーター化してプロジェクトチームメンバーで討議し結論付けている。殆どの場合２種のマップアウトでドリルする。
さらに、ボウラーによってはピン位置が2インチ前後のボールが適切な人、
あるいはピンアップするためにピン位置が4インチ前後離れているボールがどうしても必要な場合もある。マスバイアス・タイプの場合は右投げか左投げかによってもピン位置によりボール選択が違ってくる。
正確にベストなボールを作ろうと思うとマスバイアス・タイプかシンメトリック・タイプかによってもお薦めしたいボウラーのタイプが異なってくる。
このような条件を満たすには、同一のボールを最低でも40個位のボールを用意しないと選別が出来ない。したがって私のプロショップではピン位置や重さを細分化して得意なボールを大量に同一ボールを仕入れるようにしている。
こうすることで、タイプ別に最適なボールを推薦することが出来る。
各ディストリビューターでは膨大な広告をし推薦されるのだが、私自身か持っているボールやドリルについてのノウハウや技能では、上手く処理できないものも実際にはある。これはボールの良し悪しではなく、私の処理能力と私自身のボウリングに対する考え方の問題である。
名医と称されるお医者さんでも、治療に使用される薬や注射液にはきっとこだわりがあるだろうと思う。
私自身が思いのままにボール・パフォーマンスをイメージしてその通りにドリルできないボールを販売することは、欺まん行為に他ならないと考えている。
プロの仕事とは、『最高のボールはこれしかない！！』といえる仕事であり、
『これでダメならこれでどう？』と言うことは許されないと考えている。
ただ単に良く曲がるボールは数多くある。髙田誠が良いボールの条件に求めるものは曲がり巾の大きさより、高田誠のストライク理論である0.68インチのインパクトアングルが出来るだけ多くのボウラーに期待できるボールのことである。言い換えると多少回転数やスピードが充分でなくとも、ピンデッキに入っても最後まで曲がり続けるボールということだ。
つい最近発売されたANDROMEDAと云うボールがまさに脱帽したボールである。少しハヤメのコンディションでも間違いなくピンキャリーが良い。
手前がドライなコンディションではフラッシュカット加工したANDROMEDAを1個持っていれば多少のブレイクダウンもなんのその、ポケットさえ捕まえれば間違いなくスプラッシュヒットだ。
こんなボールは仕事をするこちらも楽しく、ここ数日は鼻歌まじりでドリル作業をしている。
こんなボールは、パーカー・ボーンやショーン・ラッシュやトミー・ジョーンズ達に投げさせれば、よほどオイリーなコンディションでもない限り、きっとオーバーチャージだといって嫌うと思う。それほど凄いのだ。
ツーピース・シンメトリック･タイプのボールの動きは、5年くらい前に私が設計して米国Brunswickより全アジアに向けて発売されたACTIVE ZONEによく似ている。しかし比較してみると、当時のPK TRACTION-6より僅かに硬めで、カバーストックのきめが細かい分ハシリも良くなっていると感じた。
Two-piece Symmetrical ballのドリルにはAXIS位置とピン位置のマップアウトがボールパフォーマンスと大きく関係してくる。このボールは、よくも悪くもドリラーの技能次第と云う部分が大きい。
このボールを使って目の覚めるようなゲームをしてみたいと思うボウラーは、ボールについて学習している信頼できるプロショップスペシャリストを見つけることも大切なキーファクターとなるだろう。
さらに、ボールの重さが違っても、ボール・リアクションが同じになるように、重さ別にコアに配慮がなされていることが嬉しい。
これは我々ドリルをする職人にとっては本当にありがたいことだ。
数に限りがあるために、地元のプロショップでは見つからないかも知れません。どうしても見つからない時は、少し遠いけど 髙 田 誠 ボウリングプロショップにお出かけください。残り僅かですが確保しております。
売り切れの時はごめんなさい。
では、楽しいボウリングをお続けください！！
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